
住宅ローンの審査において必ず確認される重要な指標のひとつが「返済比率」です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、住宅購入を検討するなら知っておくべき基本中の基本です。特に車のローンやリボ払いなどの既存借入れがある方にとっては、返済比率の理解が住宅購入の成否を左右するといっても過言ではありません。この記事では、返済比率の意味や計算方法、審査での目安について詳しく解説します。
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- 返済比率とは何か
返済比率とは、額面年収に対する年間の借入返済総額の割合のことです。住宅ローンの返済額だけでなく、車のローン、クレジットカードのリボ払い、教育ローン、消費者金融の返済など、すべての借入れの年間返済額が計算の対象に含まれます。
計算式はシンプルで、「年間返済総額÷額面年収×100」で求められます。具体例を挙げましょう。額面年収が400万円の方が、住宅ローンで月8万円(年間96万円)、車のローンで月3万円(年間36万円)を返済する場合、返済比率は(96万円+36万円)÷400万円×100=33%です。
この返済比率が金融機関の定める基準を超えると、住宅ローンの審査は厳しくなります。逆にいえば、返済比率を基準内に収めることができれば、既存の借入れがあっても審査に通る道が開ける可能性があるということです。
- 審査で求められる返済比率の目安
金融機関によって審査基準は異なりますが、一般的には返済比率30〜35%以内が審査通過の目安とされています。年収別にみると、年収400万円未満では30%以内、年収400万円以上では35%以内とする金融機関が多いようです。フラット35の場合は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下という基準が公表されています。
ここで重要なのは、審査上の上限と「無理なく返済できる額」は別物であるということです。返済比率が35%に収まっていたとしても、食費や光熱費、通信費、教育費、保険料、将来への貯蓄まで考慮すると、実際には返済比率25%前後に抑えることが家計の安定につながるとされています。審査に通ることと、長期間にわたって安心して返済を続けられることは必ずしもイコールではないため、余裕を持った計画が大切です。
- 既存の借入れがある場合の考え方
車のローンやリボ払いなど既存の借入れがある場合、その返済額の分だけ住宅ローンに充てられる枠が圧迫されます。先ほどの例でいえば、返済比率の上限が35%(年収400万円なら年間140万円)のとき、既存借入れで年間48万円を返済していれば、住宅ローンに使える枠は年間92万円(月約7.7万円)です。金利1.5%、返済期間35年で試算すると、借入可能額はおよそ2,500万円前後になります。
このように、既存の借入れが多いほど住宅ローンの借入可能額は制限されます。ただし、おまとめローンの仕組みを活用して既存の借入れを住宅ローンに一本化できれば、返済比率の計算上は整理される可能性があります。総借入額自体が減るわけではなく返済の形を整えるものですので、金融機関との慎重な相談が不可欠です。
- 返済比率を改善するためにできること
返済比率を下げるための具体的な方法を整理します。第一に、既存借入れの繰り上げ返済です。少しでも残高を減らせば、その分だけ住宅ローンの借入可能額が広がります。第二に、頭金を増やして住宅ローンの借入額自体を抑える方法です。第三に、返済期間を長めに設定することで月々の返済額を下げ、返済比率を抑えることもできます。ただし、返済期間が長くなると支払う利息の総額は増えるため、バランスを考えた判断が求められます。
- 資金計画は不動産のプロと一緒に
返済比率の計算や既存借入れの整理は、一人で考えると複雑に感じるものです。当社では物件紹介とあわせて、金融機関との橋渡しや銀行との交渉サポートを行い、お客様の返済比率や借入状況を踏まえた現実的な資金計画を一緒に考えます。借入れがあっても住宅購入の道はあります。まずはお気軽にご相談ください。
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